アニメ映画監督の押井学が自分の表現で大切なことを述べているのが興味深い。

OSHI


 制作した作品は暴力的なシーンが多い。これについては「僕らの仕事は暴力とエロを表すことだ」という考えに基づくものだと言う。

 しかし、押井自身は血を見ることが嫌いであり、『ケルベロス-地獄の番犬』 の撮影中、銃撃シーン用に用意された大量の血糊を見て気分が悪くなり、その大半を廃棄させたこともある。

 同じ理由でスプラッター映画も敬遠している。

 押井守


 映画の表現の本質はエロと暴力ではある、と押井学は思っているらしいが、本人は過剰で過激な暴力では映画が台無しになるとも考えているのだろう。

 『ウィザードリィ』でいえば首をはねられた!という表現がテキストで登場するようなものでないと作品としては失格だと正直いって考えてもいるようだが。

クリティカルヒット


 ハードボイルド小説を読むように押井学は『ウィザードリィ』のクリティカルヒットのような表現がアニメ映画のクリエティブな表現に結びつく優れた表現と考えているのは興味深い。

 押井学のアニメ映画を理解する視点で『ウィザードリィ』が大切な要素、などとはいわれているがどうも本人はスプラッター映画でレーティングで18禁とか17+のようなものは好まないようでもある。

 押井学にいわせれば『Mortal Kombat』のような作品は暴力表現が暴走したような失敗作のゲームだが、『ウィザードリィ』のような作品は絶妙な作家的な言葉の暴力の表現のように優れた遊び・・・みたいに考えているのだろう。
 
 押井学も深い哲学的な考えで映画を作る作家で時折、難解な作品で毀誉褒貶をおこす人でもあるのだが、娯楽映画の本質は暴力とエロにあるが、過剰な暴力やエロは作品を破滅に導く大いなる駄作というか、失敗作になるというポリシーもあるのではないか?

 『アヴァロン』あたりにも『ウィザードリィ』のクリティカルヒットの考えは多いに活かされていて彼自身のSFサイバーな『ウィザードリィ』の世界を存分に表現しているのだろう。

 押井学は小説的な表現の言葉の暴力とか言葉のエロスを好む傾向があって『ウィザードリィ』の首をはねられた!という表現に絶妙な価値観を発見した映画監督でもあるのだろう。
 

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 ゲームや漫画やアニメにも厳しい視点でものをいう人だということも良くわかるのだが、押井学はエロと暴力にいわせればモンタージュ理論のようなことも自分で考えながら映画に表現してきたような気がする。