日本の怪奇幻想小説家といえば夢野久作というファンは多い。

 江戸川乱歩に『ドグラ・マグラ』は狂人が狂気の世界を書いたようなもの、とはいわれたが、余り評価されないまま、戦後になって夢野久作は再評価された作家でもある。

 夢野久作の親は杉山茂丸という右翼民族派で三島由紀夫のような国家主義者でもあったが、夢野久作は親とは違った悪魔的な異端の小説の『ドグラ・マグラ』を書いた人で親と全く違った異質な胎児のような人でもあった。

yumeno kyusaku

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